11月 4日

 復刊ドットコムの「タントラへの道」へのリクエスト票が116票になっている。かなりの要望数だと思うが、復刊は難しいだろう・・・。それでもそれはこの本への高い評価が根強くあることを示している。個人的にも、たぶんスピリチュアル系の本の中では最高峰だと思うが、こういう本が再販されにくいというところに日本のスピ系文化の貧しさを感じる。
 市民出版社や他の大手の出版社がめるくまーる社から版権を買い取って出版してくれないか・・・。問題は、出版社がこの本の価値を認めるかどうかだが・・・。
 それにしては、河出書房新社や角川書店の大手がよくOshoの本を出版したものだと思う。何がきっかけだったのだろう・・・?

 翻訳については、人工知能が代わりにやってくれるようになればずいぶん助かるが、たぶんまだまだ先の話だろうな。翻訳ソフトの機械翻訳もそのままでは使い物にならず、まだまだ手仕事でやり続けるしかない。何かもっと効率的にできないものか・・・






 
11月 5日

 このホームページのページ数は現在約1650ページある。Oshoのページだけで186ページある。これだけのページ数だと、このソフトの作業も重くなってくる。






 
11月11日

 Amazonに「ルポ 現代のスピリチュアリズム」織田 淳太郎(宝島社新書 310) を注文する。価格は古本で1円。
 この本に興味を持ったのは、ネットでのこの本の書評で、特に元めるくまーる社の社長である和田禎男について書かれてあるからだ。
 それによると、和田禎男は1971年にめるくまーる社を設立したが、2001年には経営上の行き詰まりからうつ状態に陥り、それが5年ほど続き、2007年、65歳になったばかりの時に社長を引退し、その後、長年連れ添った家族との決別の意を固めると、終の住処としてベトナムに移住することを決めた。2008年4月から池袋の外国語学校でベトナム語を習い始めた。・・・・とある。

 Oshoが日本で知られるようになり、Oshoの本が読まれるようになったのは、めるくまーる社が初めてOshoの本を精力的に出版し続けたからだ。その功績は大きい。1977年の存在の詩から1990年頃までOshoの本はほとんどがめるくまーるから出ている。
 それが2000年頃から本が売れなくなって、うつ病になってしまうというのは切ない。特に1995年のオウム真理教事件がそれ以降の精神世界の本の売れ行きに影を落してきたのかもしれない。Osho本の出版のパイオニアがこういう形で引退してしまうとは・・・

 もう一つは、多くの「スピリチュアル」な本の邦訳に携わってきた山川紘矢・亜希子夫妻について書かれてあるらしい。これも興味があるが、2010年に出た本であり、Oshoやクリシュナムルティについても書かれてあるが、タイトルにスピリチュアリズムと打ってありながら、江原啓之については書かれてないらしい。
 そもそも話はユリ・ゲラーのスプーンまげから始まっていて、ようするに超能力現象とスピリチュアルを混同しているように感じられる。
 あくまでこの著者が見て感じたスピリチュアルの世界の話ということになる。


 実際にまだ読んでなくて、あくまでネット上の書評から受けた印象だが・・・






 
11月15日

 注文していた「ルポ 現代のスピリチュアリズム」が届いたので、ざっと読んでみた。全体的には好きな本だ。ただ、Oshoについての言及はかなり断片的で一面的だが、これは誰がOshoを語ってもそうなるだろうし、ましてやそれほどOshoに深く関わっていないようなこの著者にとっては、それでもかなり誠実な見方をしている。変な偏見がなくて好感が持てる。むしろ、この本を書評している人の方により偏見を感じるところもある。特にこのブログなどがそうだ。http://d.hatena.ne.jp/shins2m/20100505/1273050507

 この本で特に興味のある部分として、上の日記にも書いた、めるくまーる社の和田禎男・前社長について・・・(プロローグ) 

 和田氏は「生きる意味」を模索しながら学生期を過ごし、ある日の銀座で、傍らにカントの「純粋理性批判」を置きながら、黙々と靴磨きの仕事をしている人に会い、立身出世に興味がなく、ひたすら自分の好きなことをして生きている人に魅せられる。
 1971年5月に資本金80万円で「めるくまーる社」を設立する。当時28歳。心の問題、つまり心理学や哲学、宗教学を扱うため。
 それでも「生きる意味」を見出せず、暗中模索の中、兄からミニコミ誌のラジニーシの「存在の詩」を読むように渡される。和田氏は直感的に「これだ!」と思い、それから1977年4月に「存在の詩」を出版し、それからクリシュナムルティやグルジェフなどの本も出版していって、当時の精神世界の動きを牽引していた。その意味でめるくまーる社の功績は大きい。ただ、
 めるくまーる社の社員にはラジニーシに共感できずに退社した人もいたらしい。
 その後、不景気の波に押されて2001年頃から業績不振で5年間激しいうつ病になる。そして2007年、65歳で社長を他の人に引継ぎ、長年連れ添った家族との決別の意を固めた。終の住処としてベトナムに移住することを決めた。2008年4月から池袋の外国語学校でベトナム語を習い始めた。当地での日本語教師の資格を取るためだった。そして2010年1月14日にベトナムへ旅立った。

 大きな仕事を成し遂げた人だと思う。その影響力は大きい。


 同じ「ルポ 現代のスピリチュアリズム」から、山川紘矢・亜希子夫妻について・・・

 山川紘矢は1965年に東京大学法学部を卒業後、大蔵省に入省するエリートキャリアで、自身では学歴を積んでエリート意識の持てる仕事をすれば人生は成功だと思っていたが、官僚たちの輝きのない生き方を見て失望する。2歳下の亜希子夫人は東京大学経済学部を卒業後、自分が何をしたいのかわからず、うつ病になる。
 2人とも外国・英語が好きで、英語の勉強のためにと外国人講師の自己啓発セミナーを受けるが、それから内面をより見つめるようになる。
 1984年に偶然、シャーリー・マクレーンの「アウト・オブ・ザ・リム」を読んで魅了される。すぐに翻訳したいと思うが、大手出版社は精神世界の本というものに関心を示さず、唯一地湧社だけが出版を承諾する。
 翻訳後、リア・バイヤースという女性チャネラーから連絡があり、その本の翻訳はサン・ジェルマン伯爵という精霊の働きで行なわれたものだ、と告げられる。

 ・・・個人的にはこの展開が胡散臭い。このリア・バイヤースがまず曲者で、自分から「私は最近、精霊と交信できるようになった。」 と言っている。「最近、」とは・・・? 

だが山川夫妻はこの女性チャネラーの「宇宙全体が地球の危機をなんとか救おうと思っている。一緒に世界平和のために働こう。」という話を信じ込むようになっていく。
 その後、サン・ジェルマン伯爵という精霊は、出版社を変えろ、と言い、山川夫妻はそれに従ったため地湧社の社長の怒りを買う。当時「アウト・オブ・ザ・リム」の出版を承諾していたのは地湧社だけで、当然、他の出版社にもちかけてもどこからも断られる。
 困って山川夫妻はリア・バイヤースに相談すると、リア・バイヤースはチャネリングで「サン・ジェルマン伯爵がシャーリー・マクレーンが助けてくれると言っている。」と告げる。それでマクレーンに相談すると、マクレーンは「精霊のメッセージよりも最初の出版社で出すほうがいい。」と言う。山川夫妻は混乱しながら結局は地湧社の社長に謝罪して出版を許してもらう。
 ただその後も山川夫妻はバイヤースのチャネリングに従うが、「サン・ジェルマン伯爵が日本人にメッセージを伝えたがっている。」 ということを言い、次第にバイヤースは異常な行動を取り始める。後に亜希子夫人もチャネリングができるようになり、サン・ジェルマン伯爵の精霊と交信するようになる。
 1985年バイヤースの帰国後、山川紘矢は喘息に襲われ、発作の苦しみから1987年に47歳で大蔵省を退官する。発作は5年間続き、治まったのは51歳になった頃だった。これ以降、2人の本格的な翻訳活動が始まる。山川夫妻は、一応これらの不思議な・・・というか異常な体験をホジティブに捉えている。

 ・・・と、この「ルポ 現代のスピリチュアリズム」の中に書かれてあることをまとめてみた。

 ・・・個人的には、チャネリングのお告げに従って行動するというのが嫌いである。そもそもチャネリングそのものが何の信憑性もない。だからバシャールも信じていないし興味ない。精霊が自分をサン・ジェルマン伯爵と名乗ったとして、何の証拠もない。その人が勝手にそう言っているだけの話で、これは宗教団体の教祖が信者を信じ込ませるための常套手段だ。そこには必ず仏陀の霊やキリストの霊が現れる。大川隆法などまさにこの手口を用いている。何の証拠もない。それでも何か頼れるもの、すがるものを求めている人はこの手口に簡単に引っ掛かってしまい、信じ込まされる。
 サン・ジェルマン伯爵は神智学でも取り上げられている謎の人物だが、だからこそチャネリングの対象としてはもってこいなのだろう。だから当然、山川夫妻の翻訳する本もこういう傾向のものが主流になるのだろう。
 そういう山川夫妻がOshoの翻訳を4冊もしたのは異質なことである。もともと出版社の依頼でそうしたわけなのだが、そうなるといまさらながら出版社の角川書店がなぜ、どういう意図でOshoの翻訳を山川夫妻に依頼したのかが知りたいと思う。
 結果的にはそれがOshoを幅広く知らしめるきっかけにはなったが、それでも山川夫妻の翻訳したものいうイメージでOshoの翻訳本を読んだ人の中には、その内容に戸惑った人もいたかもしれない。








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