ヴェールを脱いだイシス 

Isis Unveiled

『ヴェールを脱いだイシス』の概要

『ヴェールを脱いだイシス』(1877年)は、ブラヴァツキーの最初の著作である。
 全二巻で構成され、第一巻(全657頁)は科学、第二巻(全848頁)は神学という表題が付けられている。
 この本は、当時、科学と宗教の中に広がり始めた唯物論に対抗するために記された。
 第一巻では、当時支配的だった科学的な学説に対して、心霊現象を擁護しつつ「太古の普遍的な智慧の宗教」の立場から反論を試みる(第一章から第十三章)。
 その上で、当時の学術研究をもとに「太古の普遍的な智慧の宗教」の起源が前ヴェーダ時代のインド(正確には原インド=イラン)であるとの推定を述べる
 (第十四章と第十五章)。第二巻では、カルデアのカバラ、マンダ教、グノーシス主義、キリスト教、ヒンドゥー教、ゾロアスター教の神話と象徴を比較検討し、
 原インド=イランを源流とする「太古の普遍的な智慧の宗教」の輪郭を探る(第一章から第五章)。
 その上で、キリスト教の盲目的で独善的な教義の起源を明らかにし、その独善的な教義を批判する(第六章から第十一章)。
 全体を通じて、唯物論に走り、ただやみくもにヘルメス哲学は陳腐化したと思い込んでいる現代社会と、独善的な教義を唱えるキリスト教の両方を批判し、
 精神と物質のバランスを回復するためには、ヘルメス哲学を再興することが重要だと説いている。
 第一巻 科学

 第一章 古いものに新しい名前を付ける
 第二章 現象とそれを引き起こす力
 第三章 盲人を導く盲目の指導者
 第四章 心霊現象を尊重する諸理論
 第五章 エーテル、あるいはアストラル光
 第六章 心霊現象
 第七章 元素と自然霊
 第八章 自然の秘密
 第九章 周期的な現象
 第十章 内なる人間と外なる人間
 第十一章 心理的・物理的な驚異
 第十二章 渡ることのできない亀裂
 第十三章 真実と幻想
 第十四章 エジプトの智慧
 第十五章 人類の揺籃地インド
第二巻 神学

第一章 教会、それはいずこに?
第二章 キリスト教の犯罪とユダヤの美徳
第三章 初期キリスト教における分派
第四章 東方の宇宙創成論と聖書の記録
第五章 カバラの秘儀
第六章 キリスト教において戯画化された仏教の秘教的教義
第七章 初期キリスト教の異端と秘密結社
第八章 イエズス会とフリーメイスン
第九章 ヴェーダと聖書
第十章 悪魔神話
第十一章 仏教とキリスト教の比較結果
第十二章 結論とその解説
「ベールをとったイシス」 第1巻 科学 上 
     H・P・ブラヴァツツキー著、ボリス・デ・ジルコフ編、老松克博訳
   
                  竜王文庫 2010年12月 4,830円

  翻訳は第1巻の前半部分
  

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「ベールをとったイシス」 第1巻 科学 下 
     H・P・ブラヴァツツキー著、ボリス・デ・ジルコフ編、老松克博訳
   
                  竜王文庫 2015年8月 5,060円

  翻訳は第1巻の後半部分
  
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