スピリチュアルTOP  
宗教歴史年表
OSHO TOP
OSHO 英語書籍・講話リスト

 古代インドの神秘的な哲学説を記した聖典。「奥義書(おくぎしょ)」とも訳され、ヴェーダ聖典の最後部にあたるのでヴェーダーンタ(ヴェーダの末尾、極地の意)ともよばれる。

 さまざまな哲人が登場し、宇宙の根源、人間の本質についてさまざまな思索を展開するが、おおむねヴェーダ祭式と神話に源を持つ。
とりわけヴェーダ祭式において宇宙を支配する原理・力と見なされたブラフマンについての考究がなされる。
その考究の結実がウパニシャッドの代表的な思想、梵我一如の思想である。
  ★ヴェーダ Veda (本来は知識の意味)

    (1) サンヒター samhita (本集) ... 神々に対する讃歌、祭祀において唱えられる祭詞や祝句などを集めた部分
    (2) ブラーフマナ brahmna (祭儀書) ... 祭祀の説明書
    (3) アーラニヤカ aranyaka (森林書) ... 祭祀や思想に関する秘密の説を記したもの
    (4) ウパニシャッド upanishad (奥義書)

古ウパニシャッドの思想は、一元論的な絶対者を設定し、その認識を通じてそれと一体化するという、帰一思想を特徴とする。
しばしば宇宙原理はブラフマン(梵(ぼん))とよばれ、個別的原理であるアートマン(我(が))との一体(梵我一如(ぼんがいちにょ))を究極的な理想とする。また、輪廻(りんね)思想が新たに登場してきたことも重要であり、バラモンに独占されてきた思想界に王侯武士階級(クシャトリヤ)が進出したことも見逃せない。


古ウパニシャッドに現れる思想家は多数に上るが、
そのなかでも「有(う)」(サット)を原理としたウッダーラカ・アールニ、
絶対者を否定的表現で示そうとしたヤージュニャバルキヤ、
梵我一如と意向の重要性を強調したシャーンディリヤ、
輪廻説のプラバーハナなど重要な人物が多い。
そしてウパニシャッドの思想は、後世の正統バラモン系統の哲学派、なかでもベーダーンタ学派とミーマーンサー学派の思想に、大きな影響を与えている。


 ウパニシャッドの思想の特徴は、<祭式(yajna)に対する知(jnana)の優位>である。
ウパニシャッドにおける考究は、完全な祭式を実行するために必要な知識の追究からはなれ、知ることそのものの追究へ力点が移動している。
あるものを知り、そのものになることによって、そのものの力を獲得することができる。
宇宙を支配する原理を知ることによって、その宇宙原理に自己が同化し、自在な境地に到達できると考えるのである。

 ブラーフマナが「祭式は力なり」とするのに対し、ウパニシャッドは「知は力なり」とする。
この場合の知は「分析的、合理的な知」とは異なる。

ここで追究される知は、概念を論理的に構成して得られる知ではない。ことばを離れた、体験によって知られる直観的な知である。
「知ること」とは「なること」であるとみなされる。瞑想や苦行を通じて、宇宙を支配する神秘力に直接触れ、体験することである。
そのため自己を絶対的な存在と合一させる神秘体験が目指される。


 ウパニシャッドと呼ばれるものは、長期にわたって作られ続け、新しいものは近代にまで至る。「108ウパニシャッド」という表現があるようにその数は多く、したがって内容も多岐にわたっている。
しかし、ヴェーダ時代が終わった後に作られた成立の遅いものは、ヴェーダ学派との関連が曖昧で「新ウパニシャッド」と呼ばれ、「古代ウパニシャッド」とは区別される。 
思想内容も「新ウパニシャッド」はヒンドゥー教の影響が濃厚で、「古代ウパニシャッド」とは異なる。一般に「ウパニシャッド」という時は、「古代ウパニシャッド」を指す。

 
 これらおよそ20ほどの古代ウパニシャッドは内容と言語により次の三期に分けられる。

   古代ウパニシャッド一覧

 1)初期 BC.800年 - BC.500年  
         ブリハッド・アーラニヤカ・ウパニシャッド .................
白ヤジュル・ヴェーダ:初期 第1期
         チャーンドーギヤ・ウパニシャッド ................................
サーマ・ヴェーダ:初期 第1期
         カウシータキ・ウパニシャッド ..........................................
リグ・ヴェーダ:初期 第2期
         アイタレーヤ・ウパニシャッド ..........................................
リグ・ヴェーダ:初期 第2期
         タイッティリーヤ・ウパニシャッド ...................................
黒ヤジュル・ヴェーダ:初期 第2期
         ケーナ・ウパニシャッド .......................................................
サーマ・ヴェーダ:初期 第3期
         チャーガレーヤ・ウパニシャッド ...................................
ヤジュル・ヴェーダ
         イーシャ・ウパニシャッド ...................................................
白ヤジュル・ヴェーダ:初期 第3期

 2)中期 BC.500年 - BC.200年  
         カタ・ウパニシャッド(カータカ・ウパニシャッド) .........
黒ヤジュル・ヴェーダ:中期(BC.350年からBC.300年頃)
         シュヴェーターシュヴァタラ・ウパニシャッド .................
黒ヤジュル・ヴェーダ:中期(BC.300年からBC.200年頃)
         ムンダカ・ウパニシャッド .......................................................
アタルヴァ・ヴェーダ:中期
         プラシュナ・ウパニシャッド ....................................................
アタルヴァ・ヴェーダ:中期
         バーシュカラマントラ・ウパニシャッド ..............................
リグ・ヴェーダ

 3)後期 BC.200年以降  
         マハーナーラーヤナ・ウパニシャッド ................................................
黒ヤジュル・ヴェーダ:後期
         マーンドゥーキヤ・ウパニシャッド .......................................................
アタルヴァ・ヴェーダ:後期(1年から200年頃)
         マイトリ・ウパニシャッド(マイトラーヤナ・ウパニシャッド) .....
黒ヤジュル・ヴェーダ:後期(紀元前200年頃)
         アールシェーヤ・ウパニシャッド ...........................................................
アタルヴァ・ヴェーダ


   
◎「リグ・ヴェーダ」Rg-veda ... 祭祀の場に神を勧請するホートリ hotr と呼ばれる祭官にかかわるもの
                        その「サンヒター」部分は10巻より成り、BC.1,500 - BC.1,000年頃までに作成され
                        BC.600年以前に編集され、師から弟子へと口伝によって伝えられた。

    ◎「サーマ・ヴェーダ」 Sama-veda ... チャンドーガ chandoga 祭官に関するもの。
                         チャンドーガは内容的にはリグ・ヴェーダのものとはほとんど変わらない讃歌をメロディにのせて詠唱する祭官

    ◎「ヤジュル・ヴェーダ」 Yajur-veda ... 黒ヤジュル・ヴェーダ = 「サンヒター」部と「ブラーフマナ」部が混じている
                           白ヤジュル・ヴェーダ = 「サンヒター」部と「ブラーフマナ」部が分離

                      
「ヴェーダ」の祭祀において最も活動するアドヴァリユ adhvaryu 祭官に所属する聖典

    ◎「アタルヴァ・ヴェーダ」 Atharva-veda ... 個人的生活における種々の要請に答える内容



--------------------------------------------------------------------------------------------------------------

 
★ウパニシャッド翻訳の歴史

  ○ムリマッド・ダーラー・シコー (シャー・ジャハーンの長男) ヴェーダーンタ、タルムード、聖書を学び、スーフィーに関心を寄せる。
     1656年、バラナシのヒンドゥー学者たちを招いて、ウパニシャッドをペルシャ語に翻訳させる。
     1659年8月30日、断頭の刑に処せられる。

  ○アンクティユ・デュペロン (1731-1805) フランス
     ペルシャ語のウパニシャッドをラテン語に重訳。1771年、「アヴェスター」フランス語に翻訳。
     1775年、ペルシャ語のウパニシャッド(シコーが訳させた52編の写本)を入手。
     1801-02年、「ウプネカット」(ウパニシャッドのラテン語訳)全2巻出版。ショウペンハウエルに影響を与える。

  ○ラーム・モハン・ロイ (1772-1833)
     ウパニシャッドを原典からヨーロッパ近代語に訳す。1816-19年、数編を英訳、自費出版。

  ○マックス・ミュラー (1823-1900) オックスフォード大学比較言語学教授。
     「リグ・ヴェーダ」原典の校訂出版。13編の古ウパニシャッドを英訳。1879-84年出版。

  ○パウル・ドイッセン (ショウペンハウエルの弟子)  60編のウパニシャッドのドイツ版を出版。

  ○ヘルマン・オイデンベルク (1854-1920)
     「ウパニシャッドの教説と仏教の起源」1915年。「先科学的科学 - 梵書の世界観」1919年。







                          スピリチュアルTOP


        

 

ウパニシャッド

inserted by FC2 system