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小浜市

●組屋地蔵尊由来記 
 この地蔵尊は慶長6年小浜城の築造に際し、その城壁の安全護持のため人柱を立てる評議ありたる時、当時の豪商組屋六郎左衛門が憐れ己の愛娘を人柱に献じ、その責に任じたるも、寛永11年酒井忠勝公城主となるに及んで、城代家老三浦帯刀が毎夜、蜘蛛手櫓の近くにて女の忍び泣く声がすると聞き、娘の憐れ悲しき物語を知って一体の地蔵尊像を造り、供養をつくしてこれを「組屋地蔵」と号し、本丸守護の守りとしたるも、寛文2年5月大地震にて石垣崩れ落ち、修理にあたった心無き役人夫により諸石に混じりその行方を知られざるままに偶々、昭和28年9月当地を襲った大風水害により、衛門口石垣崩れしを昭和34年修繕中、南隅玉垣の諸石中より地蔵尊出現あり、その椅面に組屋の家紋のある所から組屋地蔵尊と判り、ここに崇敬者相謀りて冥福を祈念し祀りおるものなり。

2004年10月11日

若狭小浜 - 組屋地蔵尊

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