和尚TOP
 ★和尚が語った人物たち
 インド・チベット編

スピリチュアルTOP

リシャバ Rishabha
 ヒンドゥー教において、リシャバはバガヴアッタ・プラーナにリストされた22人の具現化したヴィシュヌの8番目のアヴァターラ(化身)である。リシャバ聖仙はマルカンデヤ、ブラフマンダ、スカンダ、およびヴィシュヌ・プラーナでも言及されている。

 彼はナビ王の妻、マルデヴィの子宮に現われた。ヴィシュヌのような息子を得るためにヴィシュヌを喜ばせようと王は多くの厳しい厳粛と苦行を受けた。ヴィシュヌは彼の嘆願を受け入れ、それからナビ王とマルデヴィの息子リシャバとして現われた。

 彼の百人の息子のうち、最年長はバーラタ・チャクラヴァルティンと知られていた。彼が支配してからインド亜大陸はバーラタヴァルサと呼ばれていた。リシャバの他の息子たちは、クサヴァルタ、イラヴァルタ、ブラフマヴァルタ、マラヤ、ケトゥ、バドゥラセナ、インドラスプリク、ヴィダルバ、そしてキカタだった。そこにはカヴィ、ハリ、アンタリクシャ、プラブッダ、ピッパラヤン、アヴィルホトラ、ドルミル、チャマス、そしてカラバージャンという名の他の息子たちもいた。

 王国を統治する代わりに、これらの9人はバガヴァッタ・プラーナの戒律に従って托鉢伝道者になった。彼らは「シュラマナ・ヴァタラシャーナ」または、風で装っているシュラマナだったと書かれている。彼らの特徴と活動はバガヴァッタ・プラーナの11番目の詩篇で、クルクセトラでのヴァスデヴァとナーラダの会談の中にずっと記されている。
 一般大衆を教えるために、リシャバは多くの犠牲を実行して、市民を統治する方法を彼の息子たちに教えた。このように自分の息子たちに適切な指示をしたリシャバは理想的な父親だった。リシャバが彼の息子たちへ指示する内容は、バガヴァッタ・プラーナの第5章、5編に存在する。
 数人の学者たちは、シヴァ神のパスパティの形として多くの人たちにも呼ばれているヨーギの瞑想的な姿勢のようなインダス文明の図像を通して、リシャバをシヴァ神と関連付けた。シヴァ神はゴパティ・リシャバとしても知られている。シヴァ神に適用されたアゴラ、イシャナ、サドゥヨジャタ、ヴァマデヴァを含む多くの形容句はリシャバにも適用された。
 シヴァ神の影響は、プラーナカーラがリシャバ神をトリプラリ、トリロチャーナ、トリネトゥラ、トリャムバカ、そしてトリャクシュナとして呼んでいる限り、マハープラーナにおいて明らかに際立っている。 

 1つの伝説の中に、不意にバドゥラユヴァにやって来てシヴァカヴァチァと呼ばれた偉大なマントラを教えた聖リシャブがある。ブラフマ・プラーナの「ブラフモッターラ・カンダン」の一節で、語り手スータはシヴァ派に関する多くの問題を記述し、6番目の部分でヨーギ・リシャバからマントラについての指導を受けているバドラバブについての話がある。 
 シヴァ神はすべてのカリ・ユガで具現化したとリンガ・プラーナは言及している。そして1つのカリ・ユガにおいて、彼はリシャバと名乗ったヨゲシュワラ(神の28の化身の1人)であった。

 何冊かのビシュヌ派聖典によると、リシャバはヴィシヌのアヴァターラ(化身)である。バガヴァッタ・プラーナはこれを主張をする最初のものだ。


 リグ・ヴェーダの中に最初のティルタンカーラ、リシャバに関する言及がある。

おお、神々しいルドラよ!リシャバ・デバのような、最初の世界教師の通称であるアルハンになることによって、偉大な神であり、高貴な血筋を持つ汝は我々のうちに生じる。彼を敵の破壊者にならせよ!

   Rig Veda, X.12.166

                               ※ウィキペディアより翻訳     Rig Veda





  Oshoの講話より・・・・

 存在の究極の頂点を征服する運動は、最初のティルタンカーラであるリシャブデヴァによって始まった。
 おそらく彼は人間の全歴史上で最古の神秘家だ。そしてジャイナ教は最も古い宗教だ。信者の数がとても少ないため世界ではあまりよく知られていないが、それでもジャイナ教の貢献は計り知れない。
 最初のティルタンカーラであり最初のジャイナ教のマスターであるリシャブデヴァは、現存する最古の本、ヒンドゥー教の経典、リグ・ヴェーダの中で大いなる敬意をもって言及されている。
・・・・・・・・・
 ヒンドゥー教学者によると、リグ・ヴェーダは9万年前のものだ。そしてそれを証明した男、ロクマーニャ・ティラク---今世紀で最も知的なヒンドゥー教学者のひとり---は、誰も彼に反対することができなかったほどの根拠でそれを証明した。なぜなら彼は論理的ではなく天文学的な根拠でそれを証明したからだ。
 リグ・ヴェーダの中には、星の世界での特定の出来事の、その時以来起こっていない特定の出会いの説明がある。その記述は全く明白だ。そしてそれは、それを記述していた人々がそれを見ていた場合にだけ可能なものだった。そして実際に天文学は今、ロクマーニャ・ティラクに同意している---それは9万年前に起こったこと、そしてそれがリグ・ヴェーダに記述されている方法はまったく正しいということ---天文学的な物事はそのように記述されなければならないことに。
 だから天文学は非常に発達していて、人々は星の集まりを見ることができた。彼らはさらに私たちが発見したばかりの星と惑星を記述していた。50年前にはそれが発見されなかったので当時の人々は単に笑って言った。「どこにこれらの惑星があるのだ?」冥王星と海王星は50年前には発見されていなかったので人々は笑っていた。「これは単に架空のものだ!」
 だが今星々はより良い機器により発見されている。より多くの星が、より多くの惑星が発見されている。そしてそれらは全てリグ・ヴェーダの中で伝えられている星図に合致している。・・・・※


 リグ・ヴェーダは大いなる敬意をもってリシャブデヴァの名前に言及している。私が「大いなる敬意」という言葉を強調しているのは、リシャブデヴァがヒンドゥー教徒ではなかったからだ。彼はヒンドゥー教徒として生まれたが、ヒンドゥー教の哲学、ヒンドゥー教の教義に反対し始めていた。そして彼は新しい宗教を創始していた。彼はジャイナ教の源泉だった。
 9万年間でヒンドゥー教とジャイナ教は非常に遠く離れて行った。24番目のティルタンカーラ、マハーヴィーラ---最後のティルタンカーラ---は、どんなヒンドゥー教の経典にも言及されないほど遠く離れて行った。・・・ただ彼を無視するために。彼に言及する価値はないと考えられていた。

 しかしリシャブデヴァについては、彼らは大変な敬意をもって言及してきた。それは非常に心理的な何かを示している。人はどんな同時代の者に対しても敬意を示さないものだ。特にあなたの既得権、あなたの力の根を切断している者、リグ・ヴェーダを書いているバラモン教徒たちに反対する者に対しては。もし彼らがリシャブデヴァを非難していたなら、それは全く当然なことだっただろう。だが彼らは畏敬の念に満ちていた。

 私にとってそれはただひとつのことを証明している。それは、リシャブデヴァはリグ・ヴェーダの書かれる少し前---5世紀か6世紀前に生きていたに違いない、ということだ。その頃までには彼は既によく知られていて、崇拝されていた。だからリグ・ヴェーダでさえ敬意をもって彼を記述するのだ。人々は死者に非難することはないが、同時代の者を尊敬するには非常に知的で無垢なマインドが必要だ。
 彼は最初のジンナだ。ジンナとは征服者という意味であり、そしてマハーヴィーラは24番目のジンナだ。ジンナたちに従う人はジャイナ教徒と呼ばれる。彼らは単なる追従者たちだ。

                                   ・・・「炎の伝承」下巻、第25章: ブラボー、アメリカ -1986年・・・



 最初のジャイナ教徒ティルタンカーラ、リシャバデヴァはリグ・ヴェーダと同時代の人だ。たぶん彼はこの最も古いヴェーダに先行してさえいただろう。なぜならリグ・ヴェーダは、通常は同時代の人に与えられなかった敬意をもってリシャバデヴァに言及しているからだ。
 リシャバデヴァを記述するためにリグ・ヴェーダの中で使われた用語はとても敬意を表しているので、それはリグ・ヴェーダが作られつつある時に最初のジャイナ教徒ティルタンカーラが既に一定の評価を得ていることを示唆している。人間は、彼が同時代の人を敬うほどにはまだ洗練されていない。
 とはいえ、リシャバデヴァがリグ・ヴェーダと同時代であることは確かだ。それはこの経典が大いなる敬意をもって彼に言及しているからだ。

                     ・・「クリシュナ: その人とその哲学」第16章: 無神論、有神論、そして真実(リアリティ)  - 1970年・・・



 ※・・Osho日記 2016年12月29日・・・

 グラハム・ハンコックの「天の鏡」という大型本の中で、
 「ナーガについて書かれている一番古い文献は、現存するインド最古の聖典リグ・ヴェーダだ。・・・このテキストの古さははっきりせず、論争の種となっている。そこで、リグ・ヴェーダを紀元前1500年以降のものだとする、欧米の学者たちの常識を鵜呑みにする必要はない。博識なインド学者たち、例えば有名なロクマニーヤ・バール・ガンガーダー・ティラクや宗教史学者ジョージ・フォイヤースタイン、サンスクリット学者サブハシュ・カク、そしてヴェーダ語教師デイヴィッド・フローリーは、主流派の見解への強烈な反対者で、リグ・ヴェーダははるかに古い時代に作成されたと主張している。
 ヴェーダは・・・人類の古代における霊的教えの最も優れた記録のようだ。そこには時間を超越した知恵、マントラ法典が記され、時代から時代へと受け継がれてきた人類の知恵がこめられている。それが何千年にわたるのか、知るすべはない。ヴェーダ語を話す人々はおそらく紀元前6000年以前からインドにいたと思われる・・・・リグ・ヴェーダはそれよりさらに古い時代を振り返り、宇宙的な時間周期の知識があることを示している。
 同じように、欧米の主流派学者たちはラーマヤーナも、紀元前300年頃に作成されたとしている。だが、(ラーマヤーナを「原初の詩」と呼ぶ)インドの伝承では、87万年前の出来事について語るラーマヤーナは、「その時代のすぐあと」に作成されたもので、のちのバージョンはそのコピーだとしている。」 という記述がある。



inserted by FC2 system