滝坂の道

春日山原始林

奈良の地図

★地図

 奈良は石仏の宝庫とも言われている。2000年前後は、特に石仏をよく撮影した。あの頃見たアニメ「もののけ姫」の影響から、森の中を探索するのが好きだった。 奈良の春日山原始林は、春日大社の神の森として長年伐採が禁じられてきた。都市の中に原始林があるという、世界でも珍しい所らしい。
 この滝坂の道は、当時、東大寺から柳生の里へ行く唯一の道で、長く石畳が敷き詰められている。その道ぞいには多くの石仏が点在している。
 その中でも特に好きなのが「夕日観音」だが、道からは離れていて、近寄って見るには急な斜面を登って行かなければならない。「夕日〜」とあるから、夕陽が石仏に当たる向きになっているのだろうが、夕陽に当たったこの観音を見たことはない。その顔立ちは、法隆寺の釈迦三尊像によく似ている。その近くに三体地蔵があるが、これは分かりにくいので見落としやすい。その後に「朝日観音」に出会う。 場所的にはこの道の中で一番好きな所。それからしばらく歩いて地獄谷と呼ばれる広いところに来る。ここには首切り地蔵と、異様な大木がある。ここが「地獄谷」と呼ばれるのは、昔、ここが死体の捨て場所だったからだと言われている。この場所は、黒澤明が映画「蜘蛛巣城」のロケに使った場所でもある。
 ここから左へ曲り、道が二つに分かれ、左の道は春日山遊歩道に合流し、右の道は峠の茶屋を経て柳生街道へ続く。
その右の道、石畳の坂道の途中に春日山石窟仏がある。ここは金網で囲って保護されている。石質が脆いのか、崩れかかっている。
 石畳の坂道を登って、柳生街道へ抜ける道の手前を右に行き、舗装された道を進むと、左手に地獄谷聖人窟に行く道がある。
 奈良の中心街から手軽に来れるハイキング・コースとして、多くの人がやって来るので、あまり静かに過せるところではないが、地獄谷聖人窟あたりはわりと人気もなく静かだ。

1999年11月28日

2002年11月23日

夕日観音  朝日観音 滝坂地蔵・三体地蔵・寝仏 地獄谷首切り地蔵 峠の茶屋
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